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2011年05月23日

発声。

ちょっと、合唱関連。

主に発声に関して。

「発声練習をちゃんとしましょう」
「発声に問題がある」
「声に響きがない」
「声が暗い」

合唱練習中によく言われる指摘です。

僕自身も20年も合唱をやってきて、別に発声を疎かにしたつもりはありません。

ただ、合唱をやっている誰もが悩んでいる通り、「発声」と「実際の演奏」との間の壁、というか、接点を見つけるのは決して容易な作業ではありません。


例えば、場面1。

Aさんは、大変な声量の持ち主で、いつも気持ち込めて、大きな声で歌っていました。
ただ、その歌声自体は、仲間や指揮者には評判が悪く、「Aさんがいないと、演奏は綺麗なのになぁ」なんていう愚痴を叩かれる始末。
Aさんも悩んでいましたが、すぐに技術が向上するわけでもないので、特に本番演奏時には、とにかく自分の気持ちを伝えるために、一生懸命歌いました。
ただ、あんま周りに迷惑を掛けてもいけないので、ボイストレーナーの指導に従い、大きな声で歌うことはあまりしなくなりました。

その後、数年経って、指揮者が言いました。
「数年前のAさんは、今、録音を聞くとすごいいいのに。何で、今はそんな風になっちゃったのかなぁ。」

Aさんは、一体自分がどうしたらいいのか、分からなくなりました。


続いて、場面2。

Bさんは、ボイストレーナーによる発声練習の時は、トレーナーの言われるがまま、綺麗な響きで歌うように心がけています。
綺麗な響きを維持しようと思うと、どうしても声量は落ちてしまいますが、トレーナーからはそれでいい、と言われ、いい気分です。

ただ、アンサンブル練習では指揮者から、
「もっと歌え!もっと!もっと!」
と言われます。

そして、ボイストレーナーに言われたことを忘れて、とにかく必死に歌ったところ、指揮者から、
「それでいいんだ。」
と誉められました。

Bさんは、一体自分がどうしたらいいか、分からなくなりました。


ありがちですね〜。
別に、両方僕、ってわけではないのですが。

実際、僕も、AさんやBさんのように悩んでいた時期がありましたが、実は、今はほとんど悩んでいません。

どうやって、悩みを解消したか?

答えは簡単です。


悩まないようにした

ただそれだけですimpatient

どういうことかって言うと、無理に発声とアンサンブルの接点を探るのをやめました。

発声は基礎技術。アンサンブルはその応用。
くらいの考えは持っていますが、それ以上具体的には考えません。

例えば、
「足し算、ってのは、前の数字に、次の数字を足すことですよ。」
ってのは、基礎ですね。

基礎問題であれば、「1+1」みたいな出題もあるでしょう。

ただ、例えば入試では、そんな問題は出ません。

「あつしくんは1,000円持ってます。あずさちゃんは500円持ってます。
二人が結婚したら、二人で使えるお金はいくらでしょうか?」

みたいな感じで、応用が利いてくるわけです。

単なる1+1ではなく、応用問題には、登場人物有り、お金あり、結婚あり、と様々な場面がくっついてくるわけです。


合唱もこれと一緒。

「1+1」。これは発声ですね。
「あ〜え〜い〜お〜う〜」「ドレミファソファミレド」
基本的には、同じことの繰り返しです。

ただ、曲になるとそれは全然違います。
音程・リズムはより複雑になりますし、大抵の曲には「歌詞」や「背景」なんかもあったりします。
そういった中で、「1+1」を全部忘れてしまってはいけませんが、いちいち「1+1」のことを気にしてなんぞいられないでしょう。
発声は、アンサンブル演奏を構成する、あくまでも1要素であって、決して唯一無二の要素ではないかな、と思います。

もちろん、「1+1」を分かってないと、応用問題は答えられないように、最低限のことは常に念頭にないといけないですがね。


まとめると。

発声練習では、発声のことだけ考えて、一生懸命やります。
アンサンブル練習では、アンサンブルの向上のことだけ考えて、一生懸命やります。

え?
じゃあ、アンサンブル練習で発声のこと言われたら、どうすんの?

って疑問が残りますよね。

その時は、その指示に従えばいいです。もちろん、具体的指示が指揮者からあればいいのですが、無い場合は、今の自分のどこがいけなかったのか、基本に立ち返ります。
基本に立ち返り、「あぁ、ちょっと胸が落ちてたな」とか、「下半身がふらついていた」とか、問題が分かれば、直せばいいのです。

もし、分かんなければ、「無視」です(^^;
無視は言葉が悪いですが、「気にしない」ってことです。

気にしてしまっては、いいアンサンブルが出来ません。
だって、解決策が分からないんだから。
(念のため、ですが、解決策を示してくれる指導者であれば、それに従えばいいのです。ここで言っているのは、「だめ。へたくそ。もっと上手に。」としか言えない指導者(そんな方はいないと思いますが・・・(^^;)の場合で、自分でも、解決の道が見えない場合)


繰り返しになりますが、別に発声がどうでもいい、って考えているわけではありません。
特に、アンサンブルでは、特に発声面で気をつけないといけない部分も、2つほど認識しています。

一つは、倍音。

多い、少ないではありません。

合唱は一人でやるものではないので、お隣の人と声を合わせる必要があります。
しかも、これって、中々合いません。

合わない原因が何かって、(特にベースの場合は)発声技術に依拠した倍音の相違、がほとんどです。

ある程度、技術を持った団員同士であれば、実音が互いにおかしいことはほとんどありません。
同じ音を出しているのに、何で合わないのだろう、って思った時に、気付いたのが、この倍音の相違でした。

学術的なことはmaipostaさんに任せます(^^;
分かりません。

ただ、特に感覚的に実音の高低ではなく、「何となくの違和感」を感じる時は、よ〜〜く聞くと、互いの倍音の中で、(特に人間の耳にきこえるくらいのレベルで)キリキリっぶつかってるんです。

これって、修正するのは、大変です。
実音ならまだしも、倍音の高低を操作出来る人って、いるんでしょうか・・・。

修正するためには、発声法を合わせるのが一番だと思います。



2つ目は母音。

これも、複数メンバーの声を合わす時、なのですが、母音の発声方法が違うと、全然合いません。

特に、い、とか、う、あたりは意見が割れることが多く、出し方が違うため、(上記、倍音問題も相俟って)、全然パートとして統一感がないように感じてしまいます。


この2つの問題を解決する方法は、やはり発声です。


ふう。

長くなりました。

まだまだ書きたいことがあるのですが、今日はこの辺で。

発声って奥が深いですね。













aaaaaa
posted by bbb at 15:04 | Comment(2) | 合唱
この記事へのコメント
そんなわけで、実音から生まれる倍音で一番聴こえてくる倍音は、
口の形(外の空間にどのように倍音を鳴らせるか)、
声が一番共鳴している空間(口の中なのか、胸なのか、喉なのか)、が関係してきます。
実音が合っているのに音がなんとなく合わない原因は、出ている倍音の共通音が少ない場合でしょう。

下手なたとえですが、お酒の席に例えるなら、
ビール愛好家のbbbさんが企画した飲み会@居酒屋で、
最初の乾杯はやっぱり枝豆にビールでしょ!という中、
一人チーズを添えてワイングラスを傾けていたら明らかにその場では浮いてしまう。
逆に、ワインの試飲会@高級フレンチレストランで、
まさか枝豆とビールを頼む人はいないでしょう。

倍音を合わせる作業をする場合は、
どちらかがどちらかの倍音に寄り添う意外に声がぴったり合う感覚は得られないでしょう。
もし倍音を合わせるなら、
一番楽なのはお互いに自分が出している倍音を聴いてお互いに発声を合わせる、ですが、
当てるポイントを合わせる、
声を響かせる空間(喉の開き、胸の開き、口の形など)をそろえる、
これだけでも幾分改善される気がします。

音楽に適した倍音を持った声を模索する事(指揮者の仕事ですね)、
その倍音をコントロールする事(口の形、共鳴する場所の制御をする発声の技術)、
これらの事が合唱のアンサンブルをより良質にする、と僕は思ってます。
でも、知識は裏付けであって、音楽を愛する心と好奇心に勝る音楽への良薬はありません。

学術的な事はさらけ出すもんじゃないと思っていますが、
(実際、専門家じゃないので本当に嘘ばっかりですが)
少しでもお役に立てたらと思い書いてみたら、
2本立てになっちゃいました・・・失礼しましたmm
Posted by mai posta at 2011年06月05日 03:20
名指しされちゃいました・・・
エセコメントって事で失礼しますmm

倍音、とても鋭い着眼点だと思います。

倍音が鳴る条件は2つ。
真空状態で無い事。
音が響く空間がある事。

一番人間に近い音が響く空間は、身体です。
ことさら、声に関しては、声帯(喉仏のところの骨で覆われた部分の中の筋肉)が音源なので、
喉から口までの管も、口の中の、頭蓋骨の中も、
胸や背中などの身体の中の骨格の中にも、声は響いています。
これを、共鳴、といいます。
だから倍音は人それぞれ違うわけです。
声帯の筋肉から、身体の大きさ、骨の太さ…

次に、倍音について。
倍音には鳴りやすい(同じ音に聞こえやすい)順番が存在します。
鳴りやすい倍音(低次倍音)は実音に似た(あたかも一つの音のように聞こえる)音、
順番の高い倍音(高次倍音)であればあるほど、実音からは違う(異質に聞こえる)音になります。
例えば、オペラ歌手がなぜマイクを使わないで、
あんなに大きなホールに響き渡る声を出せるのか。
それは、ホールに自分の声を共鳴させている事のほかに、
高次倍音によって自分の声をより特徴づけているから。
低次倍音を生み出しやすい伴奏の楽器から、
自分の声を違うものとして聴こえさせているから、
伴奏に埋もれない音の響きを実現できるわけです。

そして、音には固有振動数があります。
鳴る空間が一番振動しやすい(一番うるさく聞こえる)音が存在して、
倍音を含めて固有振動数で共鳴する音が人間の耳にうるさく聞こえてくるわけです。
Posted by mai posta at 2011年06月05日 03:19
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